日記

2022-02-07 17:56:00

お口の健康

いきなりですが、ワンちゃんの歯磨き、毎日できてますか?

人間と同じように、犬には歯磨きは必要で、それも歯ブラシで、毎日行うのが基本です。

……と、口で言うのは簡単ですが、現実的にはなかなか難しい子が多いと思います。

ただ、やはり歯のケアを怠っていると、歯周病などのトラブルが起こりがちです。

歯石の付着や歯周病のなりやすさは、個体差があります。

特に小型犬では3歳位で酷い状態になる子もいれば、(特に中型犬以上では)あまりケアしていなくてもシニア期まで比較的綺麗な子もいたりします。

(ヒトでも、虫歯になりやすい人と、全然ならない人がいますよね……すぐ虫歯になる口の人間としては羨ましい限りです)

犬は虫歯にはほとんどならないのですが、そのかわり歯周病にはなりやすいです。

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歯石が溜まると、元の歯を覆うくらい大きくなっている場合もあります。歯根もかなり溶けている事が多いです。臭いもかなり出てきます。

この場合、治療としては麻酔下で、まず全部掃除して、場合によって悪い歯根の歯は抜く&抜いた歯の穴を処理するもあります。

E3D11691-0AD0-47B0-BB97-D55E1D25ED3F.jpeg超音波スケーラーで歯石を除去して、

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歯肉ポケットの深さをチェック&掃除します。

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このままだと歯面がざらついて後で歯石が付きやすくなるため、2種類のペーストとブラシを使って歯面をツルツルに磨きます。

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ツルツルになりました。

この子は抜くほど悪くなった歯はなかったので、消毒して終了です。

このあと大事なのは、今後のケアですね!

ゆっくりでいいので、最終的に歯ブラシで歯磨きができるようにし、なるべく綺麗な口内環境を保って頂きたいです。

歯磨きの方法等については、また後日書いていこうと思います!

2021-12-07 10:53:00

冬に向けて/結石について

12月に入り、寒さが身に沁みてきました。

寒くなると、飲水量が減るために、尿結石や、それにともなう膀胱の病気が多くなります。

尿中の結石は数種類あります。

膀胱内の結晶が結石にまで成長すると、超音波検査やレントゲン上でも分かります。(レントゲン上では分からないものもあります)

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当院で手術した膀胱の結石です。大きさ、数は様々、形状もつるっとしたものからゴツゴツしたものまで色々です。

(近年はフードの改良からか、ストラバイト結石が減ってきて、シュウ酸系の結石が増えてきています。)

 

犬猫どちらもなりやすい(比較的若い子に多い)病気ですが、とくにオス猫は注意が必要です。

オス猫は尿道が細いため、結石が詰まり尿が出なくなると、尿毒症を起こして命の危険があります。

ぱっと見でわかる症状として、排尿姿勢のまま大きな声をあげる、食欲不振、嘔吐などです。

特におなかを触ってみて、明らかにいつもと違う硬い感触がした場合、すぐに処置が必要となりますので、至急病院へ行ってください。

 

また、何度も尿道閉塞を繰り返す子のばあい、尿道そのものを短くする手術を行うこともあります。

(膀胱炎になりやすくなるなどのデメリットもあるのですが。)

膀胱結石も治療として基本手術をおこないますが、結石の種類や大きさによっては食餌でゆっくり溶かせることもあります。

普段からおしっこの様子や色など、チェックしてみてくださいね。

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