日記

2025-11-23 20:54:00

FIP猫ちゃんの治療とその後

またまた更新がろくにできてませんでした。すみません。

前回、猫伝染性腹膜炎(FIP)の治療に使われる試薬についてのお話をしました。

そして、数ヶ月に典型的な症状の子猫ちゃんが来院されました。(元気消失、ウエットタイプの腹水貯留、炎症数値著増などなど…)

本来検査結果を待ってから治療なのですが、典型例のため飼い主様に確認を撮ってから治療を開始しました。

お薬は無味無臭なので簡単に飲んでくれたため、投薬後著しく改善し、投薬期間中に去勢手術も終わらせて、84日間の治療を終えました!

たまに検査に来られますが元気いっぱいでこちらも本当に嬉しい限りでした。

海外からの薬、さらに効能外使用になるので保険が効かないのがネックですが、ここまで劇的に治ると素直に嬉しく獣医冥利に尽きます。

2024-09-06 17:54:00

FIP(猫伝染性腹膜炎)治療について

FIP(猫伝染性腹膜炎)といえば、比較的若い猫ちゃんでなりやすい死亡率の非常に高いウィルス性の病気です。 すこし前までは、治療法がなく、発病するとなす術もなく亡くなってしまう病気でした。

近年、ある試薬が非常に効果があることが分かり、臨床に応用されていくようになってきました。 しかしこの薬、日本では手に入らず、価格も非常に高い薬です。(他にも最近認可された、人間用抗ウィルス薬も効果がありますが、そちらもとても高価です)84日間治療をするのですが、車一台分位の金額がかかると思います…。

今回、この試薬を比較的安価で入手することができました。

あまりの高額のために治療ができない、という事態を起こしたくなかったため、今まで色々と検討していましたが、これで現実的な価格で治療ができそうです。

IMG_0525.jpeg粉状の薬です。一回分ずつ量を正確に測ります。

少しでもFIPで苦しむ猫ちゃんたちを救命し、元気にできるよう励みたいと思います。

2023-04-10 11:21:00

猫ちゃんの慢性腎不全について

高齢の猫ちゃんにとっても多い腎臓病。

お水をかぶかぶ飲んでじゃーじゃーおしっこ💧そんな症状はありませんか??それはもしかしたら腎臓病かもしれません。進行すると嘔吐、体重減少、痙攣(腎臓の解毒作用が働かなくなるため)などの症状もみられます。

また、本来腎臓から分泌される造血ホルモン、エリスロポエチンが分泌されず、貧血を起こすこともあります。

定期的な血液検査や尿検査を行い、早期発見することが大切です。点滴や食事療法によって進行を遅らせることができます💉

気になる症状等ございましたらお気軽にご来院くださいませ🏥

2023-04-10 11:18:00

膵炎のおはなし🧁🥓🍤

 

最近膵炎でご来院の患者様が多いため、今回はこちらの疾患について書きます。膵炎は膵臓から分泌される消化酵素が、なんらかの原因により過剰分泌され、膵臓自身を傷つけてしまう疾患です。

原因は様々ですが、脂肪分の多い食事によるものが多いです。ほかには遺伝性のもの、薬物由来のものなどがあります。また、糖尿病や内分泌疾患(クッシング、甲状腺機能低下症)があると膵炎の発症リスクが上がります。

揚げ物🍗あぶらが乗ったお肉🥩生クリーム🧁などこそっとあげていませんか?盗み食いにも要注意です⚠️

症状は激しい腹痛、嘔吐、食欲低下や元気消失などです。様子見で放置すると重症化する場合があり、死亡率も高い疾患です。怪しいなと思ったら遠慮なく病院にいらしてくださいね。

2022-07-15 17:45:00

増えた院内設備その2

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歯科処置装置をユニットにまとめました。

今まではそれぞれ機械がバラバラで、処置に必要な場合そのたびに用意して手間が猥雑でしたが、このユニットでスケーラー、エアー、水、レジン固着照射、エアーフロー、マイクロエンジン、吸引と一つでできるため、たいていの歯科処置がすぐ行えるようになりました。

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耳用内視鏡(ビデオオトスコープ)です。

写真はわんちゃんの健康な鼓膜ですが、毛が鼓膜すぐ手前まで生えてることがわかりますね。(外耳炎が拗れているとき、耳道のびらんや鼓膜の損傷が見られたりします。)

人と比べて犬猫は耳道が曲がっているため、なかなか手持ち耳鏡では耳の奥まではっきりとみえにくいのですが、ビデオオトスコープでは耳道内や鼓膜の状態を明確に見ることができます。

耳の洗浄や薬の注入をしたり、専用の鉗子を使って異物、耳垢の固まったものなどを取り除く時に使用します。(基本麻酔あるいは鎮静が必要です)

また、レーザー装置とあわせて、耳の中の腫瘤を除去したりも可能です。

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